恋愛事案は内密に

自宅のマンションに戻り、今日のことを思い返す。

まさか、大和に会えるなんて。

もうちょっとだけ話したかった。

もうちょっとだけ話せばやり直すきっかけが生まれたかもしれない。

いつもの大和だったけど、知らないうちに髪の毛に白髪がまじっていた。

BGMがわりのテレビをつけながら、ぼんやりと適当につくった夕飯を食べる。

さっきから胸にひっかかるのは、今食べている魚の骨、ではなくて所長の視線だった。

あの目ヂカラは大和とも他の男性とも違う胸を打つ強さだった。

どうして私なんかに。

考えても答えはでない。

気持ちを切り替えて、お皿を片づけ、お風呂に入る。

またどこかで大和に会えるかもしれない。

風呂上がりに鏡をのぞき、最近サボり気味だったお肌のお手入れを入念に行いたくなった。

洗面台の奥の棚にしまいこんでいた美容液をこれでもかと顔に塗りたぐる。

お肌も多少はぴかぴかになったし、明日の朝も大和に会えたらいいな、と思いながら眠りについた。