恋愛事案は内密に

13時前に高清水さんがやってきた。

「戻りました。で、資料できた?」

「先ほど北野さんが持っていきました」

「あ、そう」

私の机の上にある資料を手に取る。

赤く書き記した箇所に高清水さんが目を通す。

ピリピリした空気が事務室に張りつめる。

「あたし、間違えてたんだ。入力し直したのね。ごめんなさいね、森園さん」

「謝らないでください。私がやればよかったんで」

「お昼は?」

「まだ30分あるんですけど」

「ちゃんととってくださいね」

「……わかりました」

とはいえ、13時から仕事している隣でのんびりしているわけにもいかない。

「ちょっと外に出てもいいですか」

「どうぞ」

「じゃ、ちょっと外に行ってきます」

「いってらっしゃい」

不機嫌に挨拶するのかと思いきや、穏やかに返してくれた。