恋愛事案は内密に

いつものスーパーに行き、売れ残って半額シールが張られた野菜や肉類、いつもの銘柄の缶ビールもカゴにおさめた。

部屋に帰るとお弁当用に炊いておいた冷凍ご飯を電子レンジで温め、炒め料理とお味噌汁、ごはんをテーブルにのせた。

味気ない食事と不釣り合いに騒ぐテレビをぼんやりとみながら食べ終える。

部屋干しの洋服や下着をたたみながら、そういえばこの下着は大和のために買ったものだったな、と思い返した。

レースがちょっと痛んできたのでそろそろ新しい下着に替えないといけないかなと思いながらもたたんでタンスにしまった。

お風呂に入って、ふと、所長のことを思い返した。

どうしてあんな顔、私に見せるんだろう。

あんな顔、大和とつきあっていて一度もみたことがなかったかもしれない。

どうして私にみせたんだろう。

汗をじんわりかいたのでお風呂からあがる。

タオルを巻いて一目散に台所へいき、冷蔵庫を開けた。

冷気が熱せられた肌に心地よく、ゆっくりと冷蔵庫の中にある缶ビールに手をのばした。

プルタブを開け、一気に口にした。

大和と肌をつきあわせながら飲むビールの味とはまったく違った、せつなく苦い味が口に広がっていた。