恋愛事案は内密に

10分くらい経って北野さんが戻ってきた。

「ただいま」

「おかえりなさい」

よっこらしょ、といってコンビニの袋を机の上に置いて座った。

「むつみちゃん、いつも自作のお弁当なんだね」

北野さんは私の机の食べかけのお弁当をのぞきこみながら、ニコリとほほ笑んだ。

「は、はい」

「わたしも昔よく作ってたけど、忙しくってコンビニで済ましちゃう」

ガサガサとビニール袋から取り出したのはペットボトルのお茶、おにぎりと栄養ドリンクだった。

「おじさんだって思ったでしょ」

栄養ドリンクの瓶を指でつつきながら、苦笑いしている。

「いえ、そんなことは。私もたまに飲みますし」

「まあいいや。こうやって女の人とご飯食べるのっていつぶりかなあ」

そういいながら、おにぎりのビニールをはがし、海苔をまいている。