恋愛事案は内密に

「ちょっと、もう1時すぎてますよ。ぼんやりしてないでくださいよ。指導不足だなんて言われたくないんですけど」

「……ごめんなさい」

怒られるのはへっちゃらだ。

怒られているっていうことはまだ見込みがあるってこと。

そう自分に言い聞かせていかなくてはやってられない。

いくら年上とはいえ、この会社では新人で下っ端なのだから。

「見積書と注文書の雛形はここのフォルダに入ってるんで使ってください。一応、書類棚の中にも印刷されたものがあるんですが、手書きよりも入力してプリントアウトしたほうがミスがないので」

左端に寄り、高清水さんの机に椅子を並べ、パソコン画面を見ながら教えてくれた。

あとは支店内の経理関係の処理の仕方なども逐一教えてもらい、持ってきたメモ帳にメモをする。

「わからないところはありませんか、と聞いたところでたぶんわからないと思いますから、業務中に疑問に思われたなら質問してください」

「ありがとうございました」

気がつけば午後5時をまわっていた。