恋愛事案は内密に

電話応対研修のおかげでむつみさんも自信がついただろうし、高清水さんの態度も幾分落ち着いたように思えた。

まさかの飲み会が発生するとは思わなかった。この会社で飲み会なんて一度もやらなかったから。

僕たちを気遣ってか、高清水さんも北野さんもさっさと帰ってしまったけれど、おかげでむつみさんと二人っきりになれた。

ちょっと飲み過ぎたふりをしてむつみさんの部屋へお邪魔した。

目が覚めたとき、むつみさんは眠っていた。

その唇にキスをしたかったけれど、露骨すぎるからやめた。

おもしろい本が転がっているなあとビジネス書にまぎれてサラリーマン風の男性と髪の長い女性のイラストが載った小説をパラパラと読む。

なるほど、むつみさんはこういった恋愛がお好みなんだなと小さく笑った。