恋愛事案は内密に

「で、何? 結論から言えよ」

「営業サポートの子とつきあってるの?」

大和は口をぽかんと開け、はあとだらしなく溜め息をついた。

「むつみ一人だって何回言えば気が済むんだよ」

「そうだよね。ごめんね」

「もういいか。取引先の接待があるんだよ」

「ありがとう」

「じゃあ、また連絡するから」

席をたったときのふてくされた顔からうれしそうな顔に変わったことは今でも忘れない。

仕事の方針が変わり、別の部署へ異動になった。

ある種吹きだまりの集まる部署で、天気がよく、ちゃんとブラインドも開けているのに、いるだけで足からコケが生えそうなジメジメとした雰囲気だった。

社員たちはみな、目の色に輝きはなく、覇気がなかった。

気がつけば一人辞め、また一人辞めていく。

前向きに転職すると言ってはいたものの、言葉に力は感じられなかった。

そんなくすんだ渦の中をなんとかもがきながら仕事をしたけれど、力付き、気がつけば退職届を出していた。

再出発したかった。

気持ちを切り替えれば、大和とやっていける。

変な意地と変な自信ばかりついていたのに。