恋愛事案は内密に

次の日、入力ミスが発覚して、高清水さんがものすごい顔で怒っていた。

もとは僕が急いでペンを走らせてしまって数字がわかりにくくなってしまっていた。

すでにFAXは総務へ渡っている。総務へ電話をかけてみる。

そこはチェック体制がしっかりしている総務だからちゃんと処理してくれたんだけれど、高清水さんの怒りはとめられない。

北野さんも高清水さんの怒りにはあきれかえっていて、営業所内は何ともいえない空気で充満していた。

「ちょっとでかけてきます」

とポケットに財布を差して営業所から出て行く。

ビルから出ようとするむつみさんの姿を発見して、声をかける。

意気消沈なむつみさんをみて、気の毒に思う。

せっかく会社に慣れようとしているのに、やめられたら困る。

それに計画もとん挫してしまう。

「週末空けておいてください」

むつみさんの不安げな顔から少しずつではあるが目を丸くし、笑みが見えた。