恋愛事案は内密に

夢のような時間はあっという間に過ぎて行く。

むつみさんにネクタイを選んでもらえてうれしかったけれど、僕はしない黄色のネクタイを手にしている。

もしかして他の誰かのことを思い浮かべていたんだろうか。

それでもすぐに見合うネクタイを探してくれたからいいけれど。

プライベートということもあって、所長の呼び方はなしにしてもらおうと意地悪な言い方でいってみたけれど、すんなりと呼んでもらえた。

食事中に彼女がいないと言ったとき、むつみさんがビックリしている。

こんな日曜にフラフラしてるんだからわかっているのかな、と思っていたのに。

腕をつかんだとき、むつみさんの顔が近づいた。

酔ったふりしてキスしようか、なんていう気持ちが沸いたけれど、急すぎてはいろんな計画が無駄になるから、ここはぐっと我慢した。

それでもこんなに楽しい日曜はなかった。

だから帰りがつらい気持ちになったのは最近では珍しい。

どうせ会社で会えるからいいだろうと思うけれど、やっぱりプライベートでもむつみさんに会いたかった。