恋愛事案は内密に

「あいつは雑食だからな。どんどん食っていくって評判」

「あいつの近くにいるオンナってみるみる変わっていくもんな」

「すっげーわかりやすい」

ちょうどお昼を買いに会社から出るところで、自販機にたむろしていた営業の男性たちがタバコをくゆらせながら談笑しているのを耳にした。

胸がずきっと痛い。

私もそういう目で見られているってことなんだろうか。

仕事が終わり、大和に電話しても電話に出ないのは日常茶飯事になってきているのを知っていたから、『いつもの店で待ってる。必ず来て。』とメールする。

仕事帰りになじみのレストランで待っていた。

1時間ぐらい経ったくらいで、めんどくさそうな顔をして、今日着ていたスーツにだらしなくネクタイをゆるめながら、向かいの席にすわる。

「何だよ。話って。こっちは忙しいんだよ」

店員さんが大和を見て、ご注文は? と聞いてきたんで、すぐ戻りますんでと丁重に断った。

「呼び出してごめんね。話したいことがあるんだけど」