恋愛事案は内密に

金曜日になり、明日が休みということもあってどうしても気持ちがあがっていた。

商談もうまくまとまったし、明日はゆっくりできるかな、と思っていた。

ちょうど会社へ戻るとき、むつみさんがロビーにおりてきたところだった。

きれいなむつみさんだが、ちょっと疲れているのか、少し目の下にくまができているようだった。

この間の仕事の件があったので、声をかけてみた。

「声をかけてもらってありがたいんですが、そんなに声かけてくださらなくても結構ですよ。助けてくださった件はありがたいと思ってますけど。私の気のせいかもしれませんが」

この言葉にズシンときた。

彼女は派遣できているんだ。

好みの女性を前にはしゃいでしまった自分が恥ずかしい。

帰る姿をじっと見る。

せっかく近くなったのに、銀色のネックレスの効果は切れてしまったのか。

彼氏でもなんでもない状態だからか。

あまり急激に近づいても引かれるに決まってる。

それでもむつみさんのチカラになれたらいいのにな、という気持ちでいっぱいなのに。