恋愛事案は内密に

むつみさんに対する気持ちが高まってくる。

どうしたら振り向いてくれるんだろうか。

ちらりと朝、営業先へ向かうときに見るむつみさん、帰りのむつみさんを見ているだけでも充分だけれど、そろそろアクションを起こさないと他の人にとられてしまう。

北野さんみたいにすでに相手がいる状態では勝負にならない。

でも、朝みかけたむつみさんはどこか遠くの存在に思えてきた。

会社へ朝、通勤中、むつみさんを発見した。

華やかな服装で梅雨のじめじめもふっとびそうな、そんな感じがした。

しかし今朝の彼女の様子が何かおかしい。

確か、『やまと』とつぶやいていたような気がした。

『やまと』。

確かむつみさんが以前つきあっていた名前だった。

そして、僕たちの会社の鍵を握る人物の名前だった。

声をかけたとき動揺しているようでかなしくなる。

まだ僕にはむつみさんに近づけないというのか。