会社へ戻る道が嬉しいと思ったことはなかった。
ちょうど戻る頃にむつみさんが会社から出てくるところだったから。
素朴な感じがしていても、品のよさがでているのか、いつ見ても体の奥底からいい香りがして、それだけでめんどくさい商談やらあんまり顔を会わせたくない客に会ったとしても、気分が高揚してくる。
営業先から会社に戻ると北野さんと高清水さんの冷ややかな目が気になるところだ。
「五十嵐くん、この書類おかしいんだけど」
「……あ、ごめんなさい。今直して印刷しますから」
北野さんがあきれた顔をしながら書類を突き返してきた。
「最近浮かれてるけど」
「えっ」
「所長なんだからもう少し威厳保たないとなめられるわよ」
「そ、そうですよね。気を付けます」
北野さんに注意されても別にいいかなと思ってしまう。
少しだけでもむつみさんに出会えることが何よりも自分のご褒美だった。
これで仕事も頑張れる、そんな気がしてきたからだ。
ちょうど戻る頃にむつみさんが会社から出てくるところだったから。
素朴な感じがしていても、品のよさがでているのか、いつ見ても体の奥底からいい香りがして、それだけでめんどくさい商談やらあんまり顔を会わせたくない客に会ったとしても、気分が高揚してくる。
営業先から会社に戻ると北野さんと高清水さんの冷ややかな目が気になるところだ。
「五十嵐くん、この書類おかしいんだけど」
「……あ、ごめんなさい。今直して印刷しますから」
北野さんがあきれた顔をしながら書類を突き返してきた。
「最近浮かれてるけど」
「えっ」
「所長なんだからもう少し威厳保たないとなめられるわよ」
「そ、そうですよね。気を付けます」
北野さんに注意されても別にいいかなと思ってしまう。
少しだけでもむつみさんに出会えることが何よりも自分のご褒美だった。
これで仕事も頑張れる、そんな気がしてきたからだ。

