「北野さん、僕の代わりにありがとうございました」
会社に戻ると北野さんが自分の席で資料づくりに没頭していた。
「ちょうどさっき帰っていったから、少しは顔、見れた?」
「ええ、まあ」
「顔赤くしちゃって」
「……え、そうですか」
「ま、いいんだけど。顔合わせして、彼女、なかなか仕事こなせそうな感じよ」
一瞬高清水さんがそれを聞いてびくっと体を震わせていた。
「麻衣ちゃん、安心して。営業事務の座、奪わないから」
うふふと笑いながら北野さんは資料とパソコン画面を目で追っている。
高清水さんが正規社員になろうと必死になっているのは栗林さんから聞いていた。
だけど仕事とプライベートをきっちりとわけるスタイルをとことん貫いていて疲れないのかな、と思う。
北野さんや高清水さんが帰ったあと、電話をかけた。
「郡司、五十嵐だけど」
「お疲れ様。なんだ?」
「どうだった? 顔合わせのとき」
「緊張してたけど、北野さんと話があったみたい」
「そっか。それならいいんだけど。採用ってことで話を進めてくれないか?」
「了解。早速契約書まとめておくからさ」
「うん。よろしく頼むよ。ロビーでは愛想なくてごめんな」
「面倒だから、顔見知りっていうことは内緒で。さすがに仕事のことだから、あとあといろいろあるとややこしくなるだろうから」
「そうだな。じゃあまた」
電話を切る。
これであの人と近づけるなんて夢のようだ。
会社に戻ると北野さんが自分の席で資料づくりに没頭していた。
「ちょうどさっき帰っていったから、少しは顔、見れた?」
「ええ、まあ」
「顔赤くしちゃって」
「……え、そうですか」
「ま、いいんだけど。顔合わせして、彼女、なかなか仕事こなせそうな感じよ」
一瞬高清水さんがそれを聞いてびくっと体を震わせていた。
「麻衣ちゃん、安心して。営業事務の座、奪わないから」
うふふと笑いながら北野さんは資料とパソコン画面を目で追っている。
高清水さんが正規社員になろうと必死になっているのは栗林さんから聞いていた。
だけど仕事とプライベートをきっちりとわけるスタイルをとことん貫いていて疲れないのかな、と思う。
北野さんや高清水さんが帰ったあと、電話をかけた。
「郡司、五十嵐だけど」
「お疲れ様。なんだ?」
「どうだった? 顔合わせのとき」
「緊張してたけど、北野さんと話があったみたい」
「そっか。それならいいんだけど。採用ってことで話を進めてくれないか?」
「了解。早速契約書まとめておくからさ」
「うん。よろしく頼むよ。ロビーでは愛想なくてごめんな」
「面倒だから、顔見知りっていうことは内緒で。さすがに仕事のことだから、あとあといろいろあるとややこしくなるだろうから」
「そうだな。じゃあまた」
電話を切る。
これであの人と近づけるなんて夢のようだ。

