恋愛事案は内密に

「やだなあ。ネックレスじゃないですよ。むつみさんにふさわしい指輪」

穏やかに笑うけれど、まだ手首に巻かれたネクタイはほどいてはくれない。

「僕にとってのむつみさんに捧げる、切れない輪」

所長は静かにしゃがみこみ、太く長い人差し指で、束ねられた左手の薬指をなぞった。

「では、ここで行なったことは誰にも言いませんから、むつみさんも秘密にしていてくださいね」

「共犯ってことですか」

「そうなりますね」

そういうと所長はクスっと軽く笑った。

「新しいプランができました。むつみさんを幸せにしますよ」

「新しいプランって」

「内容はこれからの二人のためのプランです。必ず成功させてみせますよ。むつみさんの協力なしにはこのプランは実行できませんからね」