恋愛事案は内密に

「それでも私を必要としてくれました」

「では、今付き合ってる女性には相談しなくてどうしてむつみさんにしてほしいって考えたことないんですか?」

「そうですけど」

大和が好きだったから、大和のためだったらっていう気持ちが強くて周りが見えてこなかった。

何もなくなってから気づいたけれど。

「それで幸せだと言えますか? 僕ならむつみさんを泣かせません」

所長の言葉が胸を打つ。

大和は私に幸せをくれなかった。

私が思うばかりで大和は自分の思う方向へ進んでいってしまう。

追いかけても近づこうとしても大和は私に薄めた愛情を注ぐことでつなぎとめているだけだった。

それでもいいと思って大和と接していたけれど、むなしさと乾いた恋心でいっぱいだった。

「よりを戻そうなんてムシのいい話ですよ。必ず自分のために働いてくれるっていう変に自信のあるズルい人間がやることです。僕なら絶対やりませんけどね」

自分のためなら人を道具として扱う、そんな人を私は好きになってしまったのか。

「向井さんよりももっと愛情を注いであげられる自信がようやくついたんです。僕はむつみさんが大好きだから」