恋愛事案は内密に

「わかりましたよ。帰りましょうか」

所長から両腕に力が抜ける。

自ら体を離して入口まで歩く。

その後ろを所長はついてきた。

「ついてこないで」

「離さないっていったでしょう」

強い力で腕をひっぱられる。所長の顔が近づいてきた。

右手であごを持ち上げられ、唇を重ねてきた。

「嫌じゃないんでしょう。だからこうしてキスができる」

「力尽くでなんて」

「拒否はできないって証明されましたよ」

いたずらに笑う所長に刃向うことができない自分が情けなかった。

それでもたまりにたまった言葉を口にした。

「簡単に年下男性にひっかかったと思ってるんでしょ」

所長は笑うのをやめ、下唇を噛んだ。

しばらく経って口を開いた。

「だから年齢は関係ないって言ってるじゃないですか」