恋愛事案は内密に

「そうですね、お客様はこのような服がお似合いだと思うのですが」

ピンク色に近いベージュ色。薄手のジャケットにワンピースのアンサンブルスーツだった。

早速試着室に入り、着替えようとした。鏡に映し出された肌には、昨夜の余韻の無数の花が散らされていた。

恥ずかしくなりながら、スーツに着替え、外に出ようと試着室のカーテンを開けると、目の前に所長が立っていた。

「素敵ですよ。この色もよく似合う」

所長の微笑む姿にかあ、っと顔が熱くなった。

「そのままでいいですから。お会計してもらいましょうか」

「五十嵐さん、これ高いんじゃないんですか?」

「じゃあ、僕のための仕事着ってことでいいですか? もちろん無償貸与しますけど」

「……ちょ、ちょっとこれは」

「冗談ですよ。僕からの新しい門出を祝うためのプレゼントです」

にっこりとまた笑ってくれて、私の手をとり、会計してもらった。

「必ずむつみさんを助けますから」

そう所長に強く言われた。ちょっとおなかがすきましたから、軽めに食事をしましょうと、そのままホテルの中のレストランで食事をして、時間まで所長と向き合った。

そういえば所長とは連絡先を聞いていなかったので、互いの電話とメールアドレスを交換した。