恋愛事案は内密に

「さて、この夜をもっとおいしくさせてくれるデザートをご用意しますよ」

そういうと、所長は台所に行き、冷蔵庫から何かを取り出した。

「はい、これ。おいしそうでしょう」

手にあるのは、透明のプラスチックに入っていたのは薄い赤いゼリーだった。ゼリーの底には大粒のいちごが入っている。

「口を開けて」

所長は右の人差し指と中指をゼリーの中に入れた。

ずぶずぶと奥まで入れ、ゆっくりかきまぜる。

ぞくぞくするような音を立てて、裂け目ができて、ひとつの塊が分裂する。

いちごの香りがひろがってゆく。

ゆっくり指をもちあげると、いちごゼリーの小さな塊とジュースが指にからまる。

「今日の報酬ですよ」

ほうしゅうって、と言い返そうとしたら、ゆっくりと指が口の中に入っていた。

無意識に口が開いているとは知らなかった。

細かくなったゼリーといちごジュースの味とともに指の味がする。

「おいしいんですね」

うん、と軽くうなずく。

所長はいじわるな目をして口から指を引き抜く。

また指をいちごゼリーにゆっくりと突っ込んでいった。