恋愛事案は内密に

「きれい」

「むつみさんが一番きれいですよ」

部屋をふちどるように外の夜景が絵のようで、見ていても飽きがこない。

しばらく窓辺に立っていた。

「どうぞ。ソファに腰かけてください」

白いソファに腰かける。

やわらかな質感が体を包み込んでいくようだった。

大きな窓に映る自分の着ているドレスが場違いに思えた。

「何か私、魔女みたいですね」

ソファに座る私の前に所長が立っていた。

「僕を惑わせた、ずるい魔女ですよ」

そういって所長は口元をゆるませながら笑った。

「どうして、私なんかが。所長より年上なのに」

「年齢にこだわりはないです。初めて会ったときから」

まっすぐ見つめる目に反論ができなかった。

「僕が好きになったんだから、しかたないでしょう」

穏やかにやわらかく話す所長の姿から、夜の艶が放たれていた。