「もし、仮に契約期間内に仕事を辞めることになったらどうしたらいいでしょうか」
「え? 森園さん、どういうことですか? まだ半年も経ってないじゃないですか」
「え、あの、もしもということなんですが」
「もし期間中に辞められても次の人を探さないといけないので、しばらくは勤めていただくことになりますが」
「そうですよね。すみません、ちょっと聞きたかっただけですので」
「先方も森園さんを気にいっていますから、引き続きお仕事よろしくお願いします」
電話を切る。
シンとした事務所でひとり、心が滅入ってしまう。
私のどこが気にいっているというんだろう。
せっかく会社の雰囲気もよくなって仕事も覚えてきたのに、自分の手で信用をつぶしてしまったことには変わりはない。
お昼といえども、食欲はなく、しぶしぶ入れたお茶を飲み、午後の仕事をしようと準備していた。
高清水さんが戻り、午後の仕事をしようとしていたところ、電話が鳴った。
北野さんからだった。
「よかった、むつみちゃんが出てくれて。お願いがあるんだけど」
「はい」
「わたしの机の上に水色の封筒に入った書類が載ってると思うんだけど、その書類、本社営業に届けてくれない?」
「え? 森園さん、どういうことですか? まだ半年も経ってないじゃないですか」
「え、あの、もしもということなんですが」
「もし期間中に辞められても次の人を探さないといけないので、しばらくは勤めていただくことになりますが」
「そうですよね。すみません、ちょっと聞きたかっただけですので」
「先方も森園さんを気にいっていますから、引き続きお仕事よろしくお願いします」
電話を切る。
シンとした事務所でひとり、心が滅入ってしまう。
私のどこが気にいっているというんだろう。
せっかく会社の雰囲気もよくなって仕事も覚えてきたのに、自分の手で信用をつぶしてしまったことには変わりはない。
お昼といえども、食欲はなく、しぶしぶ入れたお茶を飲み、午後の仕事をしようと準備していた。
高清水さんが戻り、午後の仕事をしようとしていたところ、電話が鳴った。
北野さんからだった。
「よかった、むつみちゃんが出てくれて。お願いがあるんだけど」
「はい」
「わたしの机の上に水色の封筒に入った書類が載ってると思うんだけど、その書類、本社営業に届けてくれない?」