「これじゃ、仕事になんないじゃない!」

北野さんはそそくさとカバンに書類を詰め込み、出て行く。

「森園さんには失望しました」

高清水さんはそう言い放つと、重い空気のまま、私も受注作業を始めた。

昼休みになったとたん、高清水さんは席を立ち、扉を蹴飛ばすようにして出て行ってしまった。

しばらくたって派遣会社に電話をかける。

「もしもし、郡司さんですか」

「どうかされましたか」

「仕事の件で」

「ああ、その件ですか。その件で所長さんから連絡ありましたよ」

「それで……」

「少し厳しく当たってしまったことで連絡がくると思うので、その点は申し訳なかったと反省している。仕事面では助かっているので引き続きお願いしたいと伝えてほしいと」

「……そうですか」

「他に何かお困りごとはありますか」