恋愛事案は内密に

「……とくに何も」

「はあー、だからか」

北野さんは私の言葉を聞いて肩をすくめた。

「さっき事務所にきたけど、ものすっごく暗い顔してたのよ。五十嵐くん。どうしたのって聞いたけど外回り行ってきます、っていってそれっきり」

「そっ、そうでしたか」

「森園さん、変なこと言ったんじゃないんですか? 所長に」

「それは……、あ、もう始業時間ですよ」

「あらホントだ。朝礼をはじめますか」

高清水さんは答えが聞きたそうに口をとがらせていたが、席をたち、朝礼をはじめた。

業務内容のチェックと、私宛に人材派遣会社の方が来ることを知らせてくれた。

午後11時の約束で、人材派遣会社から担当の郡司さんがあいさつに来た。

応接室に通し、お茶を出す。

「ご無沙汰しています。元気でやってらっしゃいますか」

「ええ、なんとか。今日はどういった御用件ですか」