恋愛事案は内密に

「はじめまして」

所長は仕事モードのような声になる。

大和もはじめましてと丁重に挨拶した。

「で、二人付き合ってるの?」

「……付き合ってないけど」

静かだなと思い、所長の顔をうかがうと、顔色が急に曇りだした。

「そっか。詮索しちまったな、じゃな」

軽く手を振り、大和は去っていった。

所長はしばらく黙っている。

少しにらみをきかせた顔をして。

「あの人からネックレスをもらったんですか」

「……ええ」

「そうですか」

遠ざかってもう見えないのにまだ所長はにらんでいる。

「誤解を与えちゃいましたね」

「……認めればよかったのに」

耳にすべりこんでくる言葉に戸惑いを隠せなかった。

「僕は構わないのに」