恋愛事案は内密に

「……ちょ、ちょっと何いってるんですか。私はそういうつもりで言ったわけじゃあ」

「目、覚めたでしょ」

「あ……そうですね」

「自宅までの道のり、教えてくださいね」

「は、はい」

所長と私を載せた車は国道に入る。

夕刻ということもあり、仕事帰りの車で断続的に渋滞していた。

「ちょっと、嫉妬しました」

「え?」

「あんなに楽しそうに話してるむつみさんを見るの初めてでした」

「そうですか?」

「僕が外回りしているからこうやって話ができないでいますけど」

「そう……ですよね」

渋滞を回避し、所長といった観覧車が近づき、駅の建物も見えてきた。

私の住むマンションまであと少しだ。

「ホントはこのまま帰したくない」