恋愛事案は内密に

「所長。何でこちらに」

「営業先から頼まれて本社に来たんです」

所長は少しうわずった声で話した。

「五十嵐君、この子のおかげでウチらの班、特別賞もらったんだよ」

駒形さんが、な、森園、と紹介すると、私はうなづいた。

「ホントですか。すごいじゃないですか、むつみさん」

「いえ、そんな。みんなのおかげで」

「特別賞っていっても、結局お弁当の残りのペットボトルのお茶だけどね」

栗林さんはそういって、机の上に並べられたペットボトルを持って所長に自慢していた。

「さて、帰るとするか。みんな、お疲れ様」

お疲れ様でした、と駒形さんに挨拶すると、出入り口に向かい歩き始めた。

「むつみさん、送りますよ。家まで」

「そんな」

「所長に甘えとけ」

「駒形さんまで……。わかりました。お言葉に甘えて」