「あの人って」
「駒形さん」
駒形さんの名前を聞いた隣の席に座っていた人たちがこちらをむいたけれど、高砂さんがニコリとみていた人たちに微笑むと、何事もなかったようにお弁当を食べていた。
私も高砂さんもお弁当を食べ終え、落ち着いたところで高砂さんは声をかけた。
「ちょっと、外出ない?」
「あ、はい」
食べ終えたお弁当とお茶のペットボトルを片づけ、外へ出た。
本社には社員がゆっくり散策できる芝生や木々が多く植えられた敷地があり、そこを散歩した。
雨は上がり、青々と茂る木々には雨粒がたくさんついていた。
「そういえば自己紹介もなかったね。高砂由紀。北野さんと同期で同い年。森園さんは? まあ自分より若いだろうけど」
「30になりました」
「そう。自分の頃はそうでもなかったけど、充分若いね」
「いや、そんなことは」
「自分がその頃、夢中になってたんだよね」
「夢中って仕事ですか」
「まあ、仕事もそうだけど半々かな」
風が吹き抜け、木々にとどまる雨粒が流れ落ちてきた。
少しだけ肩や髪の毛に雨粒がついた。
「駒形さん、最初、濱横営業所の所長やっててさ、営業成績がよかったから本社に引き抜かれたんだけど。いろいろややこしい人でね」
「駒形さん」
駒形さんの名前を聞いた隣の席に座っていた人たちがこちらをむいたけれど、高砂さんがニコリとみていた人たちに微笑むと、何事もなかったようにお弁当を食べていた。
私も高砂さんもお弁当を食べ終え、落ち着いたところで高砂さんは声をかけた。
「ちょっと、外出ない?」
「あ、はい」
食べ終えたお弁当とお茶のペットボトルを片づけ、外へ出た。
本社には社員がゆっくり散策できる芝生や木々が多く植えられた敷地があり、そこを散歩した。
雨は上がり、青々と茂る木々には雨粒がたくさんついていた。
「そういえば自己紹介もなかったね。高砂由紀。北野さんと同期で同い年。森園さんは? まあ自分より若いだろうけど」
「30になりました」
「そう。自分の頃はそうでもなかったけど、充分若いね」
「いや、そんなことは」
「自分がその頃、夢中になってたんだよね」
「夢中って仕事ですか」
「まあ、仕事もそうだけど半々かな」
風が吹き抜け、木々にとどまる雨粒が流れ落ちてきた。
少しだけ肩や髪の毛に雨粒がついた。
「駒形さん、最初、濱横営業所の所長やっててさ、営業成績がよかったから本社に引き抜かれたんだけど。いろいろややこしい人でね」

