恋愛事案は内密に

「森園さん、一人?」

電話研修はお昼休憩をはさみ、午後からは応用編と電話受け答えのコンクールが開催される。

一同解散し、駒形さんも栗林さんも席を離れる。

高砂さんが席を立つと、声をかけてきてくれた。

「ええ、そうですけど」

「よかったら一緒にご飯どう?」

「いいですよ」

「毎年来る麻衣は声かけても無視でしょ。かわいげのない」

「それはちょっと」

「毒づいちゃった」

あはははと笑い、食堂に案内してもらった。

食堂の中に入ると、白衣を着たおばちゃんから配られたお弁当とお茶をもらう。

すでに8割がた席が埋まっていたが、食堂から少し入ったところに四人掛けのテーブルと椅子があったので、そちらへ移動した。

「麻衣は何が何でも本社に行きたいコだからねえ」

と弁当の煮物を頬張りながら高砂さんは言う。

「向上心があっていいじゃないですか」

「まあ、北野さんマネしてるのよ、あの子」

「そうですか」

「北野さんだって、あんな仕事できますっていうオーラ出してるけど、あの人のおかげでのし上がっただけだけど」

そういうと、高砂さんは、はあと溜め息をつく。