恋愛事案は内密に

会議テーブルのひとつの席が空席になっていた。後ろからバタバタと足音が聞こえてきた。

「遅くなりましたー」

「ちょっと遅いってば」

「先方の取引先とトラブっちゃって。あ、森園さん」

「栗林さん、おはようございます」

「あら、知ってるの?」

「以前いた会社で」

「ああ、なるほどね」

「今年は麻衣ちゃんの出番はナシか」

栗林さんは残念そうに口をとがらしている。

「高清水さんじゃなくて悪かったですね」

ぼそっと言い返してやる。

「いや、別にそういう意味でいったわけじゃないんだけど。同じ班なんだから、仲良くしよう」

森園さん怒らせちゃダメじゃないの、と高砂さんが注意すると栗林さんはすみませんと謝り、駒形さんはそれを見て笑っていた。