恋愛事案は内密に

いろんなショップに立ち寄り、所長は仕事関係で使う文具を購入したり、私は料理に使う専門店で味噌や出汁を購入した。おいしそうなお味噌とお出汁ですね、と所長は興味津々だった。

「夕飯どうします?」

「今日はちょっと人に疲れてしまって。明日もありますから」

「そうですか。わかりました」

所長は残念そうにしていたけれど、駅までの道を歩幅を合わせて歩いてくれた。

駅まで続く道すがら、さっき乗った観覧車がライトアップされているのをみた。

赤や青、緑に変化している。

駅に到着し、所長はロッカーからスーツを取り出した。

「明日、いい研修になるといいですね」

「ありがとうございます」

「こちらこそ、今日はありがとうございます」

「今日買ったスーツ、お似合いでしたよ」

そういうと、所長は照れくさそうに頭をかいていた。

駅で所長と別れ、自宅へ戻る。

冷蔵庫に残されたもので適当に夕飯にした。

あとは、さきほど買ったお出汁と味噌でお味噌汁をつくって飲む。

今頃、所長は何を食べているんだろうとふと頭をよぎった。

前なら真っ先に大和の顔を思い返していたのに。

飲んでいたお味噌汁を吹き出しそうになった。