恋愛事案は内密に

本社から連絡って、もしかして昨日の入力ミスの件なんだろうか。

「一週間後、電話応対研修が本社で行われます。昨年は高清水さんが行ってくれたので、今年はむつみさんに行ってもらいます」

「え、今年はあたしじゃないんですか」

高清水さんは声を荒げた。

「新人か事務の人かのどちらかという取り決めになってるのは知ってますよね。ということで、今回はむつみさんに行ってもらうことになりました」

「内示もちゃんと出てるし、名簿もメールで添付されてるから」

「研修ですか」

「堅苦しくない研修なんで大丈夫ですよ。高清水さん、毎年行ってるからわかってると思いますけど。ではよろしくお願いします」

朝礼が終わり、解散となった。

所長も北野さんも荷物をまとめて外へ行ってしまった。

パソコンのメーラーを立ち上げる。

本社総務課からメールが届いていた。

添付された名簿データに確かに濱横営業所『森園むつみ』と記載されている。

「あの、電話研修って」

「所長がいってましたよね。たいしたことないですよ」

高清水さんは、私の顔を見ず、めんどくさそうにパソコン画面に話しかけていた。