図書館での勉強が終わり、部活へ向かう途中に健太が口を開く。

「……最初は悪かったな。綾香にお前が俺に付き合って図書館へ来ているって言われて、動揺しちまったんだよな。自分から同じ事を言うつもりだったのによ」

「いいよ、俺も咄嗟に相槌打っちまったしさ。……でも最初はテンパっていて、途中からいつもの健太に戻ったけど、何か吹っ切れたのか?」

「お前が亜樹に怒られた時から調子が戻ったんだよ。やっぱ康平というイジラレキャラがいねぇと駄目だな。……それはそうとお前、二百円の事を白状しそうだったな」

「え、何で分かったんだよ?」

 驚く康平に健太が笑って言った。

「康平ってホント分かり易いんだよな。でも、ジュース代二百円の事は話さなくてよかったよ。……セコいお金で買ったプレゼントは、貰った亜樹も複雑な気持ちになっちまうからさ」