康平は、先週亜樹に習ったフォームを確認しながらユックリとシュートを打つ。

 ボールはバックボードからリングに当たり、康平逹の所へバウンドしながら戻ってきた。


「慌てなければ康平はいいシュートを打てるのにね。だけど、今の段階でもホンの少しはチームに貢献出来そうなんだよね」

「俺みたいな下手くそが? ムリムリ、だってバスケは相手がいるスポーツだろ! ディフェンスされたら変なシュートしか打てないぜ」

「ディフェンスされたら……だよね。もしノーマークだったら康平はいいシュートを打つでしょ。すると誰かが君をマークをしてくると思うの。でもそのおかげで、他のメンバーの負担が少なくなるんだから、それだけでもチームに貢献してると思うよ」

「そんなもんかなぁ。……でもそう言ってくれると気が楽になるよ」

「康平を含めてバスケが苦手だって思っている人には、スリーポイントのラインからシュートを打たせる作戦だって先週言ったよね?」

「ん? 言ってたけど、理由は聞きそびれたんだよな」