次の週の水曜日、康平は亜樹と一緒に市営体育館で練習に励んでいた。もちろん球技大会の為、バスケの練習である。

 この日はパスをもらった康平がすぐにシュートをするという練習をメインに行っていた。だが先週とは違って、パスを出した亜樹が康平のシュートをディフェンスする形式になっている。

 相手がいるとどうしても慌ててしまう康平は、とてもシュートをしたとは言えない方向にボールが飛んでしまっていた。


「私(ディフェンダー)を気にしないで打って」

「シュートは入らなくてもいいんだからね」


 シュートを失敗する度に亜樹は根気強くアドバイスをしたが、何度繰り返してもシュートらしいシュートを打つ事ができない康平だった。


「上手くできなくてワリィな」

「康平に経験がないから、慌ててしまうのは仕方ないよ。……康平、今ディフェンスしないからシュートしてみてよ。ユックリでいいからね」