ひまわり

チラッと隣にいる遼くんを見る。
どうしよう・・・聞いてもいいのかな・・・

「あの…遼くん?先生の連絡先、教えてもらってもいい?」

スマホを持つ手に力が入る。
ドキンドキン緊張しながら聞いたが、遼くんは返事をしてくれない。

「…遼くん?大野先生の連絡…」

「教えない。」

「え…。」

冷たく言われて驚いた。
遼くんのこんな冷たい態度を初めて見た。
驚いて遼くんを見つめ、何も言えないでいると、遼くんがハッとしたように言葉を続けた。

「あっ…いや、ほらっ!自分で聞いた方がいいんじゃないかなぁなんて思ってさ!」

いつもの笑顔に戻って、私はホッとした。
不機嫌に見えたのは気のせいだよね?

「そっか。今度、聞きに行ってみるね。」

「そうしなよ。…じゃあ俺はそろそろ班の奴らと合流するわ!」

「うん。ここまでありがとうね!」

遼くんは走って行ってしまい、私も愛実と千沙ちゃんと合流しようと、スマホで連絡を取る。
電話をかけながら、自分の右手を見ると、口許が緩んでしまう。
先生に治療してもらって、写真を撮ってもらえて・・・ニヤニヤするのが止まらない。

早くこのことを二人に報告したかった。