「あたし、そろそろ行かなくちゃ!
圭馬くん!あたしたちの分まで今日は絶対勝ってね!」
「あぁ、絶対勝ってくる。全力で勝負してくるから」
芽衣さんは大きく頷くと、手をヒラヒラと振って会場の中に走っていった。
「……やっぱ一ノ瀬先輩かっこいい…!いつもよりも優しい口調だったな~」
今はもう元の先輩に戻って、みんなに「ロッカールームに行くぞ」と言ってるけどレアな先輩見れたことにじーんとする。
「浮気」
「なんでよ!あたし、何も言ってないじゃん」
「全部口に出てたから」
「……え?えへへ?ごめんなさーい!」
うわー、やっちゃった。
あたしはダッシュで相ケ瀬くんのところから逃げてロッカールームに向かった。