目を覚ますと、手に肌触りの良い物が触れた。
体を包む心地好い布、蒲団だと認識する。
部屋の中に人の気配を感じない。
秋虫の鳴き声が静寂の中に響く。
手拭いを巻かれ、目隠しをした瞳には何も映らない。
真っ暗で光を感じない。
蒲団を出て、畳を這い、手探りで障子に向かう。
コツンと指に当たる感触。
そっと掌を広げて、戸をずらす。
障子をやぶらないように。
見えないせいか、神経が過敏になっているのかもしれない。
微かな音や気配も逃すまいとする。
微かに、話し声がする方に向かって、そっと音をさせないように廊下を這う。
話し声は、廊下の奥から聞こえてくるようだ。
息をひそめたような緊張に、体が強張る。
幾つかの単語が数回繰り返される。
会津藩、芹沢、命令、士道に背く者、決行……。
体を包む心地好い布、蒲団だと認識する。
部屋の中に人の気配を感じない。
秋虫の鳴き声が静寂の中に響く。
手拭いを巻かれ、目隠しをした瞳には何も映らない。
真っ暗で光を感じない。
蒲団を出て、畳を這い、手探りで障子に向かう。
コツンと指に当たる感触。
そっと掌を広げて、戸をずらす。
障子をやぶらないように。
見えないせいか、神経が過敏になっているのかもしれない。
微かな音や気配も逃すまいとする。
微かに、話し声がする方に向かって、そっと音をさせないように廊下を這う。
話し声は、廊下の奥から聞こえてくるようだ。
息をひそめたような緊張に、体が強張る。
幾つかの単語が数回繰り返される。
会津藩、芹沢、命令、士道に背く者、決行……。