ーキーンコーンカーンコーン 校内に、授業の終わりを告げるチャイムが鳴る。 中学校2年の冬。とても寒い日。 「芽衣ー?いくよ!」 「はーい!ちょっと待って!」 来年は受験生なんだな。 ふと、思う。 「あ!雪だ〜!」 愛沙美がマフラーをし直しながら言った。 外に目をやると、白くて柔らかな雪がしとしと、と降っていた。 「ほんとだ……」