「....転校生なの。学校案内してって頼まれたから、案内してるところなの」



咄嗟に言葉を並べる。


やばい、やばい。

焦りという感情が私の中をぐるぐると渦巻く。



どうして、こんなところに悠がいるの。

どうして、今なの。


ーーーー私は悪運の持ち主だ。



「案内?そんなの美優花がやる必要ないだろ」



「せ、んせいに頼まれたから」



「へー。お前は担任に頼まれたら
俺以外の男と二人きりになれるんだ」



......最悪だ。


悠が私の事を「お前」という時は
相当怒ってる時ーーーー。




悠が私の目をジッと見てくる。

その瞳には明らかに怒りが含まれていて。


その瞳から逃げたいのに、逃げられない。





「美優花、来い」



いきなり私の腕を掴み、歩き出す悠。


ーーーーあぁ、まただ。




抵抗する暇もないまま、悠に引っ張られる私。