沈黙が流れた。
風が吹いてい視界の端で髪が揺れる。
「美優花
今まで苦しめてごめん。本当にごめん。
付き合ってる間も全然彼氏らしいことできなくてやっちゃいけないこと、たくさんしたし
傷つけるようなこともたくさん言った。
本当にごめん。
美優花、
あいつと幸せになれよ…」
「悠…」
「これだけ言いたくてさ。
最後までかっこ悪いな、俺。
じゃあ戻るから、じゃあな。美優花。」
「………悠!!
今の悠はかっこ悪くなんかない!
かっこいいから!」
私が悠の背中に向かってそう叫ぶと、振り返った悠は不器用に笑って私に手を振ってきた。
…悠を好きだった気持ちは嘘じゃないよ。
苦しかったけど、辛かったけど、
悠と出会わなきゃよかったなんて思わない。
私の初恋は間違いなく悠だった。
悠と、出会えてよかったよ。
ありがとう。悠。


