「お母さん、お姉ちゃん。
私は二人のことを家族だとは思えません」
二人の目を見ながらゆっくりと言う。
「ずっとずっと、この家が嫌いだった。
家事をやるのが嫌だったわけじゃない。
家自体が嫌いだったわけでもない。
ただ、二人から向けられる冷たい視線が辛かった。
会話が出来ないこと、暴力を振るわれること、居場所がないことが…辛かった。
……私は愛されてないんだって、実感することが辛かった」
「私は、貴方達のような人と家族ということが恥ずかしい。
もう一緒になんて暮らしたくないし、今更私を家族としてみてくれなんて思わない。
幸せになってほしいとも思えない。
………今まで私をここに置いてくれてありがとうございました」
本当は、もっと綺麗に終わらせるつもりだったのにな。
こんな皮肉なこと言うつもりじゃなかったのに、…でも私はもう無理だよ。
斗真という太陽みたいな人と会ってしまった。
おばあちゃんとおじいちゃんの優しさに触れてしまった。
だからもう、冷たい世界には戻れないよ。


