…久しぶりだな。何年ぶりだろう。
そっと、インターホンを押した。
昔はインターホンなんて鳴らさないで、裏口から入っていってたな…。
そして数秒してから玄関の扉が開いた。
そこには昔より少しだけシワが増えたおばあちゃんがいた。
でも優しい雰囲気と暖かい笑顔は何も変わっていなくて
「…久しぶりね、美優花」
「…うん」
少し、泣きそうになった。
「おじいさ〜ん!美優花が来てくれましたよ」
居間でおばあちゃんが出してくれたお茶を飲んで、おじいちゃんの所に行くおばあちゃんを見つめる。
少ししてから奥の部屋からおじいちゃんが出てきた。
「おお!美優花、久しぶりじゃな。
綺麗になりおって…」
「おじいちゃん久しぶり。
相変わらず元気そうでよかった」
もう退職したけれど、おじいちゃんは大手企業のお偉いさんだったらしい。
あまり詳しいことは知らないけれど、この家がとてつもなく広いのを見れば何となく納得できる。