「…我慢できなくなるから風呂入ってくる」
私の髪が8割程度乾いたところで斗真が唐突に呟いた。
我慢?
…斗真は何を我慢していたの?
その謎を解こうにも、もう部屋に斗真はいない。
あ、そうだ。
私も斗真の髪乾かしてあげようかな…。
暫くして斗真がお風呂から帰ってきて、髪を乾かしてあげた。
気持ちよさそうに目を閉じてドライヤーの風を受けているとうまを見て、猫みたいだな。なんて思ったり。
そういえば、人の髪を乾かすなんて初めてだなとかこの時間が永遠に続けばいいのにとか、そんなことを考えてしまうくらいにそれは幸せな時間だった。
でも、斗真にとっては私はただのクラスメイトで、斗真はいい人だから私によくしてくれているのであって。
少しだけこれ以上の関係を期待した自惚れている自分に嫌気がさした。


