不器用な彼の愛し方《番外編完結》


震える声で尋ねれば





「取ったなんて人聞き悪いこと言わないでくれる〜?家族なんだから別にいいでしょぉ?」





....こんな時だけ家族ずら...?




「それにしても、あんた馬鹿よね〜。
あの通帳あんたじゃなくてお母さんのだから簡単に引きだせちゃった♪
あんたに通帳作らせなくてよかった〜♪」




満面の笑みを浮かべる、私の姉。



……わたしの、アネ。



ぞくぞくと湧き上がってくる憎悪。


自分の心が黒色で満たされていくような気がする。










....今まで必死に貯めてきたのに。


バイトの給料の半分以上は渡してた。

だからその残りを毎月少しずつ貯めて、最近ようやく貯まってきていたのに。




あのお金は。お姉ちゃん達が使ってしまったお金は。




....私の大学費用だったのに...。