「....斗真っ」
咄嗟に斗真の名前を呼んだ。
斗真が私を見てくる。
その目はとても優しかった。
「.....行かないで」
言ってしまった、そう思った時にはもう遅くて。
「はあ?何言ってんの?」
案の定、お姉ちゃんに睨まれた。
出してしまった言葉はもう取り消す事ができない。
つまりお姉ちゃんに反抗したという事実はもう変えられなくなってしまった。
私がそんな心配をしていると斗真がお姉ちゃんの手を振り払い私の元に来た。
「...可愛いこと言ってくれんじゃん」
私の頭にぽんっと手を置き、口角をあげてニヤリと笑う斗真。


