顔を俯けた、その時だった。
「....でも、でも!!
嫌いなのに、嫌いなはずなのに。
......何でこんな嬉しいの.....」
百合がギュッと拳を握り締め震える声で言った。
「....お母さんもお父さんも、私が悪いことしても何も言わなかった。
叱ってくれなかった。心配なんて一回もしてもらえなかった。
.....バカだってわかってるけど、心配してほしくて悪いこと沢山した。
なのに、それでも全く私のこと見てくれなくて。
.....悲しかった。
もっと、もっと....!
もっと悪いことしなきゃ見てもらえない。
そんなふうに思い始めて、万引きしてホストに通って、クラブにも行った。
気づいたら止まらなくなってた。
こんなの言い訳かもしれないけど、わかってたんだよ、自分のしてることがいけないことだって。
でもやめられなかった。
.......だから、美優花がやめようって言ってくれて嬉しかった。
今日もすごい楽しかった。
今までで一番楽しかった....!
.....今まで私に嘘をついてた美優花は嫌い。
偽ってた美優花も嫌い。
大っ嫌い。
ーーーでも、今の美優花は....大好き」


