そして悠が私の元へ歩いてくる。
ザクッと草を踏む音。
私の髪をなびかせる強い風。
その全てが私の心を落ち着かせる。
「.....他の男のものになるくらいなら。
今ここで、俺の手で殺してやるよ」
その言葉を聞いてもなお、私の心臓は普段通りのリズムで動いていた。
悠がゆっくりと私の首に手を当てる。
「いいよ。殺したいんだったら殺せばいい。
でも私は殺されたってもう二度と悠を好きにはならないよ」
驚いたように私を見る悠。
「でも........今まで私と一緒に居てくれてありがとう。.....悠に支えられたこと沢山あったよ。
ねえ悠。
........幸せになってね」


