不器用な彼の愛し方《番外編完結》



悠は私の腕を引きながら、空教室に入っていく。

そして、扉を閉めた。




その瞬間、"パシンッ"大きな音が響いた。


「....っ」


頬を叩かれた。

痛い。じんじんと痛みを増していく頬。



「何で。何で。あれだけ言ったのに。
あれだけ他の男と喋るなって言っただろ!!」



般若のように私を睨みつけてくる悠。


....ダメだ。ここに居てはダメだ。

逃げなくちゃ。


.....逃げなきゃ殴られる.....っ。





そう思っても恐怖心からか、足が動かない。


動いてよ、動いてよ.....っ!