不器用な彼の愛し方《番外編完結》


そして、無言のまま私の腕を掴んでくる。

思いっきり強く跡が残りそうなくらいに。


「痛い....っ」


そう言っても悠は全く聞く耳をもたない。


私の腕を掴んだまま、教室を出る。



脳裏に浮かぶのは、あの空教室。
いやな思い出しかない、あの空間。



行きたくなくて、足を止めると、もっと強く腕を引っ張られた。


前を向いてる悠の顔は見えない....。





そして、着いてしまった。


.....空教室に。




バンッッと大きな音を立て、空教室の扉を開ける悠。


....怖い。怖い....っ。