不器用な彼の愛し方《番外編完結》

「美優花ー?教室戻んないの?」

立ち尽くしてる私を見かねて百合達が話しかけてくる。



「あ.....っ、えっと、先行ってて....」

ダメだ。
蚊の鳴くような声しかでない。


「そ?じゃあ行ってるねー」



百合達が美術室を出て行き、残っていた生徒もバラバラと出て行き、美術室に残っているのは私だけになった。



そして、ずっと私を見ていた悠が美術室に入ってくる。


少しずつ、少しずつ私に近づいてくる。




やだ、......いやだ。

来ないで....。


そんな私の思いも虚しく、悠は私の前まで来て立ち止まった。